2. 子宮がん検診の内容と種類
5. 子宮がん検診のプラン・費用
6. 乳がん検診+子宮がん検診のプラン・費用
7. 当院の子宮がん検診の4つの特徴
8. 名古屋市委託子宮がん検診
12. その他の婦人科検診メニュー
子宮がん検診とは、一般的には「子宮頸がん検診」のことです。
子宮頸がんは20代~30代の女性がかかるがんの中で最も多く、近年30~40代の女性に増えています。子宮頸部(子宮の入り口)の細胞を採取し、がん細胞やがんになる前の異形成の細胞がないかを確認します。異形成の細胞が確認された場合には、精密検査にてがんに進むリスクを確認します。
厳密には、子宮がんは子宮頸部(子宮の入り口)にできる子宮頸がんと子宮体部(内膜)にできるがんに分かれます。単に「子宮がん検診」という場合は「子宮頸がん検診」を指し、子宮体がんの検診をいう場合には「子宮体がん検診」といいます。それぞれに異なった性質があり、かかりやすい年齢やリスクも異なります。
子宮頸がんにかかる人は、20代から急激に増加します。性交渉があればほとんどの人が一度は感染するといわれている、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で発症します。20歳を過ぎ、性交渉の経験がある場合には、子宮がん検診を受けましょう。
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子宮がん検診では「問診」と「子宮頸部細胞診」をおこないます。
問診内容は
などです。中絶の有無や回数についてはお尋ねしません。WEB問診システムを採用しており、来院前までに回答をいただけると、来院から診察までスムーズに行えます。
子宮頸部(子宮の入り口)をこすって細胞を採取し、がん細胞やがんになる前の異形成の細胞の有無を顕微鏡で調べる検査です。
の2つがあります。
当院の場合は、2つ目のブラシを使用したLBC法(液状化細胞診)を採用しております。綿棒と異なり、検査用の柔らかいブラシでこするため検査時に痛みがでたり、数日間出血が続いたりすることがありますが、 徐々におさまりますので心配いりません。
綿棒でこする方法よりも不適正検体(診断をするのに困難な検体)となる割合が小さいです。細胞診断で異形成の細胞が見つかった場合には、残りの細胞を使用しHPV検査も可能なため、アメリカやイギリスでは推奨されている方法です。
参考: 産婦人科診療ガイドライン 一般婦人科外来編2017
子宮がん検診ではないですが、女性に特有の子宮や卵巣には、エコーによってわかる病気があります。子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍などは、細胞の検査ではわからず、エコー検査にて発見できる病気です。自覚症状などにより、必要があれば子宮がん検診の際に併せて診療する場合もあります。
経腟エコーの検査は、基本的には性交渉の経験がある方が対象ですので、それほど痛みは感じません。身体に力が入るほど痛みが感じやすくなる傾向があります。息をゆっくり吸って、ゆっくり吐くことで身体の力が抜け、痛みが和らぎます。不安な場合には、遠慮なくお申し出ください。
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子宮がん検診の結果は、1~2週間後に通知します。結果に関わらず、病院から電話をすることはありません。1か月以内に必ずご確認ください。
細胞診の結果は以下のように分類されます。一番上のNILM(ニルム)以外は、精密検査の対象です。
※異形成とは、正常とがん細胞の間の状態です。CIN1・CIN2・CIN3の3段階に区分されています。
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検診は自覚症状のない方が対象のため、自由診療で行う検査です。自覚症状のある方は、内容によっては保険適用となりますので、問診票にご記入ください。
名古屋市のワンコイン検診の場合には、
など、自己負担金免除の制度もあります。詳しくはお尋ねください。
検査項目 | 問診・子宮頸部細胞診 |
所要時間 | 10分 |
このプランの特徴 | ・20代以上の方にオススメです。 ・異常が見つかった場合は、精密検査や治療も可能です。 ※別途料金が必要です ※精密検査の内容によっては別日のご案内することもあります。 |
結果説明 | 検査結果は1週間程度で通知します。 |
料金 | 名古屋市検診(無料クーポン) 名古屋市検診(500円) |
検査項目 | 問診・子宮頸部細胞診・婦人科エコー |
所要時間 | 10分 |
このプランの特徴 | ・子宮がんだけでなく、卵巣の病気(卵巣のう腫&卵巣がん)や子宮の筋層の病気(子宮筋腫)などの有無が分かります。 ・日本産婦人科学会認定産婦人科専門医が担当します。 ・異常が見つかった場合は、精密検査や治療も可能です。(別途料金が発生します) ※別途料金が必要です ※精密検査の内容によっては別日をご案内することもあります。 |
結果説明 | 検査結果は1週間程度で通知します。 |
料金 | 5,500円 (税込み) 名古屋市検診(無料クーポン)+婦人科エコーの場合:1,100円 (税込み) 名古屋市検診(500円)+婦人科エコーの場合:1,600円 (税込み) |
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検査項目 | 問診・マンモグラフィ・乳腺エコー+子宮がん検診(子宮頸部細胞診)+婦人科エコー |
所要時間 | 30分 |
このプランの特徴 | 女性特有の検診を一度にしっかり検査をしたい35歳以上におすすめのプランです。 マンモグラフィと乳腺エコー検査を総合判定することにより、以下のメリットがあります。
|
結果説明 | 乳がん検診と婦人科エコーの結果は当日に説明します。子宮がん検診(子宮頸部細胞診)を含めた結果表を1週間程度で通知します。 |
料金 | 16,500円 (税込み) |
検査項目 | 問診・マンモ+乳腺エコー+子宮頸部細胞診+婦人科エコー+HPV+採血(貧血+CA125) |
所要時間 | 45分 |
このプランの特徴 | 女性特有のがん検診に血液検査とHPVがセットになり、婦人科の病気をすみずみまでチェックしたい35歳以上におすすめのプランです。 マンモグラフィと乳腺エコー検査を総合判定することにより、以下のメリットがあります。
HPV検査は子宮頸部細胞診で採取した細胞を使用して検査をします。子宮がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染が原因と言われています。子宮がんでないこととHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染がないことが確認できれば、安心感が格段に増します。 血液検査で、女性に多い貧血の有無を知ることで、婦人科治療の必要性が検討されます。また、ホルモン値では、現在の卵巣の機能に異常がないか調べたりすることができます。腫瘍マーカーは、卵巣がんや子宮体がん、子宮頸部腺がんといった悪性腫瘍の有無の可能性について調べることができます。 |
結果説明 | 乳がん検診と婦人科エコーの結果は当日に説明します。子宮頸部細胞診・HPV・採血を含めた結果表を1週間程度で通知します。 |
料金 | 33,000円 (税込み) |
検査項目 | 問診・乳腺エコー+子宮がん検診(子宮頸部細胞診)+婦人科エコー |
所要時間 | 30分 |
このプランの特徴 | 女性特有の検診を一度にしっかり検査をしたい34歳以下におすすめのプランです。 34歳以下ではマンモグラフィを行うメリットが少ないため、乳腺エコーにてしっかり確認します。 子宮がん検診は、LBC法(液状化細胞診)を採用しております。婦人科エコーを追加することにより、がんの発見だけでなく、子宮や卵巣の状態を確認できますので、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍などが見つかることもあります。 |
結果説明 | 乳がん検診と婦人科エコーの結果は当日に説明します。子宮がん検診(子宮頸部細胞診)を含めた結果表を1週間程度で通知します。 |
料金 | 9,450円 (税込み) |
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LBC法(液状化細胞診)を使用します。従来法と比べて「検体不良」の結果が少なく、残った細胞を使用しHPV(ヒトパピローマウイルス)検査をすることも可能です。
早ければ1週間、遅い場合でも2週間ほどで結果を通知します。1か月以内に必ずご確認ください。2週間を経過しても結果の通知がない場合には、お問い合わせください。
子宮がん検診、乳がん検診ともに同じ医師がおこないますので、子宮がん検診・乳がん検診の両方の検査でもスムーズに行えます。
従来法の場合はこすって採取した細胞を直接プレパラートに塗布するため、生理中には目的とする細胞が採取されない場合もあります。
当院のLBC法(液状化細胞診)は、正確に判定できるため生理中の検査に抵抗のない方は、予約を変更する必要はありません。
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名古屋市では、通年で子宮がん検診を行っております。2年度に1度ワンコイン(500円)にて受診が可能です。(自己負担金免除の制度あり)
自覚症状があり、医師が認めた場合には子宮体がんの検診も併せて行うことが可能です。子宮体がんはエストロゲンという女性ホルモンの刺激が長期間続くことが原因で発生する場合と、遺伝が関係する場合があります。40歳ごろから増加して、50歳から60歳代でピークを迎えます。
また、初期に不正出血を認める場合が多く、子宮がん検診が症状のない方を対象に行うことに対して、子宮体がん検診は不正出血・月経異常の症状がある方に対して行います。
名古屋市にお住まいの方、もしくは住民票の登録がある方。20歳以上の女性(今年度中に20歳になられる方を含む)が対象です。2年度に一度ご利用いただけます。
子宮体がんの対象者は、6か月以内に不正出血または褐色のおりものがある、あるいは月経異常の症状があった方です。
※体がん検診のみ希望の方や、症状のない方は名古屋市補助の子宮体がん検診は受けられません。当院の子宮体がん検診を受けてください
20歳 | 平成15(2003)年4月2日から平成16(2004)年4月1日 |
25歳 | 平成10(1998)年4月2日から平成11(1999)年4月1日 |
30歳 | 平成5(1993)年4月2日から平成6(1994)年4月1日 |
35歳 | 昭和63(1988)年4月2日から平成元(1989)年4月1日 |
40歳 | 昭和58(1983)年4月2日から昭和59(1984)年4月1日 |
問診・子宮頸部細胞診
500円
クーポン対象の方で子宮体がん検診をおこなった場合には、自己負担金500円が必要です。
検診の結果、精密検査が必要となったり病気が発見されたりした場合、追加の検査にかかる検査料や治療費等は別途費用が発生しますので、ご注意ください。
※下記の方は自己負担金免除の対象です。
子宮頸部細胞診ではがん細胞の有無を調べますが、子宮・卵巣には画像診断で発見できる病気があります。併せて検査をすることで、子宮筋腫や卵巣がんなどが見つかることがあります。
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国立がん研究センターによると、子宮がん検診を受けて「要精密検査」の結果通知を受ける方は、およそ2%です。しかし、子宮頸がんは数年~数十年かけて、「正常→異形成→がん」と進行するため、定期的な検診によりがんになる前の段階で見つけることができます。
また、「精密検査=がん」ではなく、精密検査を受けた人のうちおよそ1.6%の人にがんが発見されます。それ以外の人は、精密検査の結果「異常なし」もしくは、がんになる前の「異形成」の段階です。「要精密検査」という結果を受け取った方は、必ず精密検査を受けましょう。
精密検査の方法は子宮頸部の細胞がどの段階にあるかにより異なります。精密検査項目の生検は午前のみにおこなう検査です。対象の方は検査後1週間以内の大事な予定がある時と生理中を避けて、午前中(12時まで)の来院をおすすめします。
※生検は病変部の組織を数ミリ角切除する検査です。そのため、月経と同じくらいの出血が1週間ほど続く場合やさらに多い出血がおこる場合もあります。
柔らかいブラシでこすり、検査は数分で終わりますので、痛みを感じない方がほとんどです。できるだけ身体の力を抜いて、ゆっくりと息を吐くことでスムーズに検査はできます。
柔らかいブラシでこすって検査をするため、検査後に少量の出血が続くことがあります。出血は数日でおさまりますので心配いりません。子宮頸がんの自覚症状にも不正出血や下腹部痛があり、心配される方もいますが、初期は自覚症状がなく進行するにしたがって自覚症状がでます。
今まで自覚症状がなく検査後に出血した場合には、検査による影響が大きいと考えられます。出血がどんどん増えるようなことがなければ、検診結果を待ちましょう。
当院の場合には、検査前に血液をぬぐい、LBC法(液状化細胞診)にて行いますので生理中でも検査が可能です。従来法を使用している施設や検査前に血液をぬぐわない施設では、生理中の検査を断っているところもあります。受診する施設の指示に従ってください。
1~2年に1度は子宮がん検診を受けましょう。
子宮頸がんは、がんの前の段階である異形成の段階を経てがんになり、異形成からがんになるまでは数年経過するといわれています。子宮頸がんは早期に発見すれば比較的治療しやすく、その後の経過が良いがんです。
しかし、進行すると腸や膀胱にも拡がり治療が難しくなり、妊娠することも難しくなります。そのため、子宮がんは早期発見や予防が非常に重要です。
2017年の国立がん研究センターのデータによれば、日本全体の「要精密検査」の割合はおよそ2%です。しかし、20歳から34歳ではおよそ4%と他の年代に比べて「要精密検査」になる割合は多いです。子宮頸がんにかかる人も20歳代から増加しています。
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経腟エコーとは、膣の中にプローブとよばれる細長い器具を挿入し、子宮や卵巣をエコー画像として表示する検査です。子宮筋腫や卵巣腫瘍などの女性の婦人科疾患を自覚症状のない段階で見つけることが可能です。
子宮筋腫は20~40歳代に発生し、卵巣がんや子宮体がんは40歳代以降に増加する病気のため、全ての方におすすめの検査です。
HPV検査とは、子宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染の有無、型を調べて異形成の細胞からがん細胞へと進行するリスクの高低を調べる検査です。子宮がん検診にて異常がなく、HPVの感染も認められなければ、より安心できます。
この検査では、がんの有無について調べることはできませんので、必ず子宮がん検診と併せて行います。
腫瘍マーカー(CA125)とは、血液検査で行い、主に卵巣癌の腫瘍マーカーとして利用されています。また子宮腺筋症やチョコレートのう胞(内膜症性のう胞)でも上昇するため、子宮内膜症の診断を補助する目的でも利用されます。
子宮内膜症や子宮腺筋症は20歳代から増加し、卵巣がんは40歳代から増加するため、全ての方におすすめの検査です。
貧血とは、血液中の赤血球の中にある、酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの濃度が低くなった状態のことです。症状には立ちくらみ、息切れ、めまいなどがあります。
子宮筋腫があり生理の量が多くなると貧血になります。そのため、婦人科では貧血が認められた場合には、子宮の状態を確認します。
女性の月経や排卵に関するホルモンを調べます。
当院の検査項目は以下の4つです。
女性に関するホルモンの量が気になる方におすすめの検査です。
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